エピソード

【44話】裏切りと裏切り

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この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

父のプライド、母のプライド

立派に仕事をし家庭を守り、大切に想うお客様を見る度に落胆し、また薄汚れた言葉で奥さんの事を罵り、酷い言葉で家庭の文句を言うお客様を見て「うちよりマシだな。」そう思って安心したりしていました。
毎日が一喜一憂の日々。
夫婦2人の頃はどんな主人でも受け止めて、大変な事態になっていても子供がいない分守るものが無いので何とかやって来れた部分がありました。
しかし子供が出来てしまうと主人に対しての気持ちが「子供にとって素敵なお父さんでいて欲しい。」そんな風に段々変わっていきます。
当時私の子供たちが小さい事もあってか、私の真の話相手にはなりませんし、私の不安や子供には何が何でも悲しい思いをさせたくないと思っていたので、借金で生活が苦しくても子供には絶対に現状を悟られまいとしていたので、主人への不安や行き場のない気落ち感は、いつも私の胸の中にしまっていました。
セクキャバで仕事をして報酬をもらっていても、子供達は私が仕事で夜に出て行ってるとは思っていないので主人が表面上は大黒柱。
大きな買い物もプレゼントも外食も旅行でさえ「お父さんありがとうやね~。」という感じで子供には伝えていました。
それは現状の生活に子供が不安にならない為というよりか、私のプライドでもあったかもしれません。

父親からの誘い

そもそも主人が前の会社でトラブルになったのは、半分騙されてしまった感じでもあり、主人だけを責める気持ちにもなれなかったという事もあります。
前の会社の役員である上司が部下数人に出資をつのり、独立を目論んで主人を含め数名に出資を募りました。
上司にそれを言われて断るのであれば、会社を辞めなければいけないくらいの情報を主人は知っていたのです。
出資するならばその上司と会社を立ち上げる、そんな話だったと思います。
主人からしてみれば随分お世話になった上司の話だったので、断れずに結構な金額の出資をしました。
しかしその上司は部下数名から募って集めたお金を持って逃げてしまったのです。
そのことが会社にもバレ、会社に居辛くなった時に私の父から「うちの会社に来い」と言われたのです。
私の父の会社は創立40年くらいの会社で、母がいた頃は母も事務で手伝ったりしていました。
私の母が家を出てからは父1人が会社を切り盛りして従業員を使い、もともと商売が好きな父なので、それなりに稼いでいたと思います。
丁度会社に来ないか、という誘いがあった時は父の再婚相手である人の息子が会社を荒らし、辞めさせられていた後だったのです。
父の現在の再婚相手は私が幼稚園の頃に、父の会社で働いていた事務員さん。
私の小学生、中学生時代に折り合いが悪かった家政婦さんである彼女のような人とは綺麗さっぱり別れて、その事務員さんとどいう訳か再婚していたのです。
再婚したのは私が19歳くらいだったと思いますが、その時に私には何の相談もなく事後報告でした。
私は当時主人と一緒に居たので、父の再婚に関しては興味は無かったのですが、やはり昔働いていた印象が残っていますし、事務員という私から父の再婚相手の見る目は、再婚相手としては認めたくないという気持ちもあった事は確かです。
父は事務員さんと再婚をしたのをきっかけに会社とは別に大きな自宅を購入し、新しいスタートを切っていました。
異母姉妹だけがその新しく購入した家で結婚するまでは、父、事務員の再婚相手、異母姉妹の3人で生活をしていました。
事務員という昔面識のある人、かつては私の母に使われていた人が、父の再婚相手というとても私には納得のいかない状況でしたが、誰が反対しても聞く耳は持っていないので仕方ありません。
そして父と事務員さんが再婚して私と初めて会った時、再婚相手となる事務員さんが私に言った言葉は
「お母さん、元気?」
これが最初の言葉でした。
勝ち誇っとような顔で薄笑いで、私を見ていたのを覚えています。
こうして実家の家柄は益々悪くなっていきました。
間もなく再婚相手は自分の大きな子供達を会社に出入りさせるようになります。
男2人、女1人の30代の子供がいて、その女は父の会社によく遊びに来ていた様で、偶然私と居合わせた時に私に向かって「お疲れ様~。」と言ったのです。
あれこれ口出しても仕方ないとは分かっていましたが、父の会社で娘の私に対して驚くような横柄な態度が、私はどうしても許す事ができず、私が幼少期、思春期苦しんだ家でどうしてこの他人たちが、幸せそうに生きているんだと、全く納得できませんでした。
一方異母姉妹は、
「お父さんの人生やんか。あんたが、お父さんの将来の幸せ保証できるん?」
そう言って再婚には1番納得していました。
再婚相手は自分の息子1人を父の会社に入れ、跡継ぎにでもしようとしたのでしょう。
会社経営の何の経験も無い人に父は再婚相手を満足し、納得させるために再婚相手の息子に会社の権限を与えるようになり、そんな事が数年継続したので父の会社は傾き始めます。
再婚相手の息子は会社のお金で裕福にくらし、挙句の果てには会社名義で自宅を購入しようとし、銀行から知らされた父はやっと気が付いたのか、再婚相手の息子を会社から追い出しました。

意を決したのに・・・

追い出した後も経営状態は悪く、異母姉妹が会社の経理をするようになり、従業員のお給料も減らしていくようになったみたいです。
それでも父と再婚相手の生活はそのままでしたが、再婚相手は実の娘である私や姉に対する態度が酷いものとなりました。
そこから数年経過した時、私の主人は父から会社に来ないかと誘われたのです。
父からの虐待や悲しい幼少期はあったものの、父と離れて生活するうちに父の虚しさや孤独や、悲しさを段々分かるようになりました。
また主人が父の会社に来いと言ってくれた事は、再婚相手の子供に私は勝ったような気持ちにもなったのです。
主人は状況全て分かっていて随分悩んだとは思いますが、恐らく期待を込めて納得し私の父の会社で働くことに。
しかしそこで誤算だったのが異母姉妹が経理をしていたという事。
父が提示してくれていたお給料を異母姉妹が反対し、聞いていたお給料より20万近くマイナスの金額しか貰えないという事態になりました。
それが分かったのが、父の会社に主人が入って初めてのお給料日の前日でした。
はっきり言えば労働基準法に引っかかるような金額しか貰えないんです。
異母姉妹に電話をし、提示金額と違う事を訴えたのですが、
「だって、金額はお父さんが勝手にあんたと、約束したんやんか。能力の分しか払えないわ。貰えるだけでもありがたいって思いや。」
サラッと、言われ電話を切られてしまいました。
主人は前の会社に引き続き、父の会社でも結果騙されてしまった形になりました。
文句を言いたいと思ってもその頃私は下の子を出産して2か月くらいで、身動きが取れない状況でした。
13万しか貰えず、しかも住民税や健康保険も引かれていないその金額で、あっという間に生活は出来なくなります。
保険証も無いので病気もできない。
もうギリギリまで借金を重ね、粉ミルクやおむつまで借金で賄いました。
私が風俗業界で稼いでいくしかなくなったのは、そもそもそれがきっかけ。
そしていつの間にかアルバイトの様な日給計算でお給料が振り込まれる様になり、みるみる家に主人は非課税対象になる程、年収が下がってしまいました。
なので私は実家の父や異母姉妹がしてきた私と主人に対する仕打ちを考えたら、主人を責めるなんて、本当はとんでも無い事なんだという思いもあったのです。

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若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
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