皆さんこんにちは。
Rieです。
皆さんは「毒親」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
毒親とは子供に悪影響を与える親のこと。
前回の毒親シリーズをご覧になってない方は、こちらからご覧ください。
日本では見つけにくい虐待
数年前に比べて、最近は多くの子供が虐待をされ、可哀想なことに命まで落としてしまうという痛ましいニュースが多く取り上げられる様になりました。
ニュースで見るような虐待は、体を傷つけられたり、密室に閉じ込められたりして、最終的には命まで親の手で取り上げてしまうという悲しい出来事ばかりですが、
目には見えてない虐待・潜在的な虐待の方が、件数として多いことはまだあまり知られていません。
日本の社会システムの体質が、見えてない虐待を見えないままにし、グレーな部分にしてしまっているのですが、現在子供の身の回りの殆どの事が保護者の管轄下の範囲で出来てしまうので、どうしても表面的に問題として認識されづらいという現実があります。
もしかしたらあなたも虐待を受けていたかも?
父親がアルコール依存症
母親がパチンコ依存症
父親の浮気による家庭内不和
これらも直接ケガを負わされていないだけで、そんな環境で自分の子供を置いてるという点で、虐待に分類されます。
まだ小さい幼児を自宅に一人残し外出するのも、安全にリビングを整備していたとしても、これは虐待にあたります。
最近流行のステップファミリーも、子供本人が自分の居場所を確保する為に気を使ったり、新しい養育者の前では、自然体ではなくいい子にならなくてはいけないのも子供にとっては虐待です。
そして、複雑な家庭でなくても、母親や父親が厳しすぎる家も、しつけと虐待の背中合わせにある事が多く、殆どこのケースの虐待には気が付くことが出来ません。
小学生低学年であれば門限は5時か6時など外が暗くなる前にというのは普通の範囲ですが、高校生になっても門限がそのまま6時だったり友達との交友を余り認めないという、子供の自立や社会進出の邪魔をするのも、虐待になります。
忙しい夫が不在で母親がいつもイライラし、必要以上に口うるさくあれこれ言うのも、実は子供は悪くなくイライラしている母親に問題がある事が殆どです。
虐待なのか?躾なのか?
虐待なのか躾なのか、どちらだったかの見極めは難しいと思われがちですが、それはとてもシンプルです。
その行為が『子供のためなのか?親のためなのか?』この一言に尽きると思います。
門限の問題で分かりやすく説明しますと、
『貴方が危ないから、早く帰って来なさい。』これが表向きのフレーズですが、
本当は『貴方の為に心配をしたくないから、私の安心する時間に帰宅して。』こうなります。
勉強や成績の事で関心の高い親は、成績の事に関して口うるさくなりがちですが、本人がその勉強の分野で頑張ろうとか輝きたいと思っているのでしょうか?
別にそんな風に思ってない子供に成績の事を子供が疲れるくらいにとやかく口出ししてしまうことにも、実は表と裏があることが多いのです。
『貴方の為に言っているのよ。』これが表となり、
『私が心配したくないから、勉強しなさい。』こちらが裏になります。
このような感じで、子供ではなく自分の為に、子供をコントロールしたり、自分の為に子供を抑圧したり、自分の不機嫌を子供にぶつけたりされた子供は、心にも傷がつきますが、それ以外にも脳が将来的に誤作動を起こすようになります。そして脳も委縮すると言われています。
勿論、虐待が殺人事件や傷害事件になるのはもっと悪質ですし、そんな事件が無い世の中になってほしいとは思いますが、テレビでみる虐待の事件になる以前から、見えてない虐待がその過程の中で繰り広げられていたという事です。
風俗嬢の生き辛さは、風俗のせいではない
様々な虐待によって、その場その場を耐えしのぎながら生きて来た人は、通常に成長した人に比べて対人関係を含む生きづらさを感じています。
それが、風俗で働いている女の子にとても多いのには私もとても驚きました。
すぐに人に騙されたり、凄く繊細で傷つきやすかったり、何かの依存体質だったり、精神薬をサプリメントの様に服用したり。
そういう風になってしまった理由は、風俗で働いているからではないのです。
その症状さえなければ、もっと素敵な場所で、もっと素敵な人に囲まれて、もしかしたら活き活き輝ける子もいつのじゃないのかな?そう思えて仕方ありません。
しかし、生きづらい状態が普通と思っているので、生きづらいと感じていることに自覚症状が全くない女の子がほとんどです。
ただ、
『私は、駄目な人間なんだ。』
とか、
『人付き合いで、何でか上手くいかない。』
と、自分自身に欠陥があるという風に、自分を見ている女の子が多いのです。
虐待によるその後の影響
虐待を受けた子供は、後に様々な生きにくさの影響が出てきます。
身体的な発育異常、知的発達の異常、この2つは表面的に分かるのですが、
しつけなのか虐待なのかハッキリ見当がつかないようなグレーな行為から引き起こされた後遺症はなかなか表面的に分かりにくいものが多いのです。
しかし、グレーであっても子供の心の中にはしっかりと心理的な影響として残ってしまいます。
虐待に限ることだけではなく、非常にショックな出来事があった場合もそうですが、心に傷(トラウマ)が生じ心に様々な問題が起こってしまうのです。それが非常に大きな問題となり、様々な症状として人生の色々な場面で現れてしまいます。
虐待されたことを何十年経っても、繰り返し思い出して、恐怖や屈辱を感じる侵入性症状群だったり、
虐待に関連する出来事を脳が回避し、記憶が抜け落ちてしまい、記憶喪失のような症状が出たり、
ちょっとした刺激で非常に激しい怒りを持ってしまい、その怒りを暴力的衝動や破壊的行動で表現したり、あるいは自分自身の体を傷つける自傷行為に走ったりするなどの症状が出てしまいます。
そして、劣等感や孤独感が染みついたままの状態になります。
人は生まれてから数年間の間に、親から愛を受けて育てられることにより、人や社会一般に対して基本的な信頼関係を育み、自分に自信を持つことができると言われています。
しかし、幼少期に虐待を受け続けた場合には、人や社会に対して信頼関係を持てず、自分に自信を持つことが出来なくなり、そして愛着形成も育っていません。
そうなると、自分という人間が疎ましいだけで自分を愛せず、自分を大切にすることも出来なくなります。
社会に出ても、その生活の中で、良好な人間関係をつくることが困難にもなります。
最も愛されるべき親から愛されず、逆に虐待を受け続けた結果、人を信用することができず、うまく周囲の人と人間関係を作る事が、他の人に比べて、どうしても上手くいかず劣ってしまいます。
他にも、虐待を受け続けた子どもはそうでない子どもに比べ強い攻撃性を持つことも珍しくなく、これは心理的な理由があります。
親と自分を同一化してしまい、虐待された子どもは親からの暴力に対して無力感や絶望感を強くもつようになります。
それを自分で何とか克服するために、自分を虐待した親と同一化し、暴力をふるうようになってしまうということがあります。
他には、親が子どもに対して殴るなどの虐待行為を行うのは、トラブルの解決方法として暴力をふるうという場合があり、虐待を受けた子どもは親からトラブルの解決方法として暴力をふるうということを学習してしまいます。親を真似て同じことをしてしまうという、暴力の連鎖になります。
「自覚」が出口になる
このような親からの虐待による後の症状はだいたいが思春期以降に出始め、気が付かなければ死ぬまでずっと付きまとう事になります。
特に愛着の問題は風俗嬢に多く『自分はどうなってもいい。』とか『私には価値が無い。』など、こんな風に自己評価を低く判断している子が物凄く多いのです。
重要なのは、風俗嬢として働いているから「自分には価値がない」というような自己評価の低下を招いているのではなく、「原因は風俗ではない!もっと根本的な問題なんだ!」と認識する事が、その暗いトンネルの出口になるのではないかと私は思います。
そして、親と同じことを繰り返さない為に、振り返りたくない過去の怖い蓋を取ってみてください。少しずつ、状況が変わっていくのを感じると思います。