エピソード

【16話】初めて同じお店の女の子と食事。彼女が語った衝撃の事実とは・・。

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この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

初めてお店の女の子と食事

今でも、よく覚えています。
彼女が私と初めて食事をしたその日、最終電車を気にしつつ、最後に注文したお酒を飲みながら話をした事…。
「私な、彼氏居てるって言うたやんか?
その彼氏な高校時代からの彼氏やねんな。
今ではその彼氏と結婚も良いかなって思ってしまうねんけど、店で働き始めてから1年は、店のボーイとも付き合っててん。
楽しかってんな、その時のボーイと付き合ってるのもな…。
けど色々その人に知らんでもいい事を知らされてしまって、店もボーイも嫌になって店も辞めたくなって、ボーイとは別れたけど、っていうか捨てられたんやけど、それからずっと店辞めたいねんな。」
要するに彼女は、彼氏がいるがセクキャバで働きだし、ボーイに色管理される為付き合う事になり、ボーイにとって新しく色管理をしなければならない女の子が現れたと同時に、ボーイに捨てられたと。
セクキャバで働きだした理由は、彼氏がいて普通のOLを過去にはしていたのだけど、OLのお給料の少なさと、楽しくない仕事を悶々とする生活に飽き飽きしたそう。
また彼氏はパチンコ依存体質なため、彼氏に毎月お金を貸すのにOLでは追い付かないから。
と、そういう理由でした。
そしてボーイと付き合ってる時は、ボーイとの会話でどうしても店の話になり、搾取の話や、キャストへのお給料の話も聞いていたと。
そしてボーイと付き合っているとき、1円の搾取もされていなかったけど、捨てられてからはだいたい毎月10万は引かれてるという話をしてくれました。
私は聞くだけだったのですが、聞くのにも相当な体力が必要で、しかし予想通りの話でした。
「彼氏との結婚は?したいから辞めたいねんな?」私が聞くと、
「そうやねんけど、彼氏もパチンコより仕事頑張りだしたし、私もこのセクキャバの生活に疲れたってのもあるな。
お客さんからも、店の人間にもストレスめっちゃかけられてるやんか。毎日嫌になる位。」
彼女にはセクキャバで働く事で達成したい目標はなく、ボーイとも関係が終わっているので、いつ搾取の対象になるのか分からない危機感だけがあるように思いました。
私の様に切羽詰まった理由が無いのであれば、上手く辞めれたら良いのにと。
彼女にもそこそこのお客様が何人もいたので、簡単にはいかないだろうとも思います。
そして彼女との話の中で、私についてはほぼ何も聞いても来なく、それは彼女の優しさだったのかもしれないと思いました。

衝撃的な告白

そして、彼女は、
「お客さんに指名で来てもらうために、お客さんとご飯食べて、デートして、ホテル行って、そんな毎日やから体もしんどいし、ここ最近は元気な日がないわ(笑)
週6で毎日違う人とホテル行ってから同伴とかあるし。」
その一言は想定外だったので、びっくりしました。
いわゆる枕営業ということなのですが、それを自分の成績や給料の為だけではなく、かつて付き合っていたボーイに営業方法として仕込まれていた事だったそうです。
彼女にとってはその営業方法は、お客様に来てもらうには仕方の無い方法、と言うとらえ方をしている様でした。
最終電車で帰宅する気でいたので、時間は気にしていたのですが、その話をされ話を止める訳にもいかず、聞き続けました。
「やっぱり、普通じゃないやんな。私。変やんな。」
「そうやね。ちょっと普通じゃないから、びっくりした。」
「そんなんを辞めたいから、店も嫌やねん。
辞めたい理由は彼氏との結婚より枕営業を辞めたい。
指名のお客さんが来なかったり、同伴出勤しないとな、凄い顔してスタッフがプレッシャーかけてくるやん。
来ない日は、凄い睨まれたりする訳やんか。殺される訳ではないけどな。
指名で来てくれるお客さんが減った女の子らって、見てても分かる位に結構悲惨な目に合ってるやんか。
それでな、お客さんを必死に店に呼びたくて。でも私のお客さんは、ホテル行ってから同伴で一緒に店に行こうって、言うてくる人めちゃ多いねん。」
私も実際お客様から、指名で来てやる代わりにデートだの、ホテルだのと誘われたりはありましたが、そんな事を言ってくるのは薄い客というイメージでした。
薄いお客さんをスルーしていたので枕営業という、山を乗り越える様な試練は幸い無かったのです。
そのお客様の要望をすんなり叶えてあげて、見返りとして指名で来てもらっていたのなら、それは大変しんどかった事と思います。
しかも自分の為と言うよりか、店に見切りをつけられない為にというのなら、枕営業でもして、お客様を引っ張って来るしか方法は無いと思っていたのでしょう。
「今まで何回も何回も生理来ない事あったりして、生理が止まっても全くどのお客さんの子供かなんて分からんし。
もしかしたら彼氏の子どもかもって思ったりするしな。
あとは変な病気貰ってしまったりして熱出たり。
痒くなったり、下腹部痛くなったり、段々ヤバイなて思う様になって来てん。」
衝撃すぎました。同時に彼女の体が心配になりました。
それはソープより激務になる訳です。
週6でお客さんとホテルに行き、その後浴びるように何リットルというお酒を飲み、約5時間ほぼ全裸で揉みくちゃにされるのです。

何も言えない自分

そして彼女はその歓楽街の中にある、風俗で働く女の子専門とも言える立地条件にある産婦人科の話をしてくれました。
私も知らなかったのですが、風俗で働く女の子に出勤前で受診できる便利さや、事情をある程度考慮してくれる産婦人科という事で、割高であっても需要の高い病院として有名だった様です。
歓楽街のど真ん中にその産婦人科があり、中に入ったらいつも満員で、待合室にいる人は皆それっぽい所で働いてそうな女の子なんだと、彼女は言ってました。
彼女はお客さんとの枕営業でやばいと思った時に、アフターピルを処方して貰う為にそこの産婦人科に行くと、話をしてました。
そんな所に産婦人科がある事もびっくりしましたが、そのアフターピルの存在も、その時私は初めて知りびっくりしました。
しかしそんな事までして心をすり減らし、体を駆使してすることじゃないよと、思ったのですが、私に打ち明けたいくらいギリギリの彼女の話を聞いて、私はその時何も言える訳がなく、聞くだけしか出来ませんでした。
そして憤りを感じたのは、枕営業と言う方法を使っても指名客を繋ぎとめなければならないと、ボーイと付き合っていた時に彼女の頭に刷り込まれていた事が、一番腹立たしく思いました。
そのボーイは、色管理で付き合う女の子には、お客様を確実に獲得する為に枕営業をするように仕向けていた訳なので、店内のキャストにはその方法で苦し紛れで在籍している女の子たちが沢山居るという事も分かってきました。
お客様と枕営業の為ホテルに行くのは、無理やり連れて行かれる訳ではありません。
それぞれの女の子たちの意志なのですが、恐怖からそうせざるを得ない様にコントロールされているのが1番の問題です。
しかし枕営業が嫌になり辛くなった時に、自分の気持ちに正直になって枕営業を辞めてしまうと、それで繋ぎ止めて来たお客様はメリットが無くなり、すぐ次の女の子を探し始めます。
そうすると、店側からは見切りを付けられ、酷い搾取の対象になる恐れがありました。
彼女と店を出て、お互いタクシーで帰宅することになりました。
「今日はごめんね、私の話ばっかりしてしまって。
しかも重たい内容ばっかりで。色々聞いてくれてありがとう。またご飯誘っていい?」
「うん。また行こうね。こちらこそ話を聞くしか出来なくてごめん。
せっかく色々話してくれたのに、何も考えが出なかったわ。私。」
「また明日ね。」
「明日ね~。」
お互いタクシーに乗り込みました。
帰宅してから主人に留守のお礼を言いました。
彼女が打ち明けてくれた話をしたかったのですが、主人の心配や不安を大きくするだけだと思い、やはり言う事は出来ませんでした。
彼女には又、次の日も同伴の予定がありました。抜け出せないトンネルです・・・。

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
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