はじめまして。ピンサロを好み、ピンサロに全力を注いだ元ピンサロ嬢セイラです。
風俗業界で働くということがどういうことなのか。
それは身体と引き換えにお金を得るだけではないのです。
失ったものはたくさんあり、それ以上に得たものもあります。
今回は最初のコラムなので、私の風俗嬢としての道のりを紹介します。
短時間で効率的に稼ぎたい
いざピンサロへ
大学に入学したら華やかなキャンパスライフが待っている。
そう期待していた私を待っていたのは、お金がない生活だった。
飲食店や塾講師など、バイトはたくさんした。
1日に2件のバイト先を掛け持ち、バイト先で仮眠をとり学校に登校する日々が続いた。
このままでは肝心の学業に費やす時間がない。
いかに短時間で効率よく稼ぎ、勉強の時間を作れるか。
そう考えた結果、風俗求人を探した。
素人でも無理なく働けて、かつ安定した収入が得られる業種。
そう、私が風俗デビューに選んだのはピンサロ。
時給制のため閑散期と呼ばれる時期でもある程度の収入が入る。
ハードサービスをする必要もない。
そして常に第三者がそばにいる。
出勤のたびにお金がお財布に入って帰れることが幸せだった。
学生であること、完全業界未経験であること、清楚系であることを気に入ってくれすぐに固定のお客様が来てくれるようになった。
短時間しか接客しないこと、一連の流れは決して難しくないこと、何かあれば店内にいる従業員がすぐに助けてくれること、こんなにも働きやすい職業はないと思った。
離れて気付いたこと
しかし卒業が近づき悩み始める。
学生という売りが失われ、年齢という若さもアピールできなくなる。
なによりピンサロ業務に慣れてしまい完全素人ではなくなった自分がいる。
一旦は風俗業界から離れた。
しかしもう風俗に染まってしまった脳内では、一般社会で生きていくのが辛かった。
そして再び求人を探し、面接に行ったのはオナクラ。
ピンサロよりも体力面での負担が軽くなるだろうと予想して進んだ。
始めて数か月。
「全然楽しくない。仕事行きたくない。」そう思うようになり数か月で退店。
次に行ったのはヘルス。
シャワーをお客様と一緒に浴びたりするという今までにやったことのない工程があり、できるか不安だったが半年間続けた。
退屈ではなかったが、どうも一生懸命になれない自分がいた。
ただお金のためだけに出勤して帰る。
そんな日々に疑問を持ち退店。
自問自答を繰り返すうちに、やはりピンサロが自分には合っていると思った。
再びピンサロ
久しぶりに戻ったピンサロは、居心地がよかった。
頑張ってみよう、という気になれた。
しかし長く働いていれば楽しいことばかりでもない。
合わないお客様に出会うことも、理不尽な問題に遭遇することもあり、自分の精神状態が不安定なときもあった。
どのように乗り越えればよいかわからず入店から1年、我慢の限界を超えお店を変える。
新しいお店を探すのは楽な作業ではない。
通える範囲にあるか、年齢層はあっているか、システムはどうか、衣装は何か、どれくらいの規模か。
不安は尽きなかった。
「あ、ここ、いいかも。」そう思ったお店に面接をお願いした。
ここで私はピンサロと真剣に向き合い、考え、学ぶこととなる。
もともとピンサロが性に合っていたこともあるが、さらに私を熱くさせたのは店長の姿だった。
真面目に風俗業界と向き合い、お店のために、女の子のために頑張る姿をみて、私もこのお店のために頑張りたいと思った。
どっぷり浸かったら見えたもの
お店を引っ張れる嬢になるには週間・月間ごとに発表されるランキングで1位である必要があると考えた。
いかにしてトップに居続けるか、どうお店をよくしていくか。
試行錯誤を繰り返して、気が付けば3年がたった。
週6日で出勤し、自分のことは二の次にして仕事のことを考える日々。
寝るだけのために家に帰り、目が覚めれば再びお店にいる。
当たり前のように家よりお店にいる時間のほうが長い。
家に帰るのすら面倒。
次の日に着る服を着て寝たいと思っていたくらいだ。
ピンサロ中心に生活が回っていた。
この世界において自分がやりたいこと、できることは限りなくやった。
満足感とこれ以上はできないかもしれないという限界感、そして多大の疲労感をもってお店を去った。
確かに悩んだことは多かったが、振り返って考えるとそれ以上にとても充実していた。
どうすれば昨日より今日、今日より明日、そして今後発展させていくことができるのか。
ただ服を脱げばいいだけではない。
現在は業界から離れて新たな目標に向かって勉強している。
これからの人のために
風俗=身体と引き換えにお金を稼ぐ。
それだけではない。
風俗で働いているからといって卑下する必要はない。
しかし大声で話せる職業でないのは事実だ。
働くにあたって不安は底知れないし、働き始めても悩みは尽きない。
こんなにも次々に新しいことが起こるのか、と日々感心していたほどだ。
それにも関わらず悩みを話せる人も、解決方法を教えてくれる人もいない。
風俗嬢は孤独である。
私の経験が少しでもそのような人たちの気持ちを軽減することができるなら、文章を書くことを通して誰かの役にたつことができるのなら。
悩める人の力になれるのなら、と思いライターの道を選んだ。
ぜひ有意義な風俗生活を送ってほしい。そう思っています。