エピソード

【45話】親の生き様を見て子供は育つ

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この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

親の生き方は子供の1番の見本になる

いい母とダメな母

余りに酷い仕打ちをされた事で絶望と主人に対しての申し訳なさが、私の風俗業界進出という事態になりました。
結果的に私が父親と距離を取るためにはよかったんです。
主人は父の会社でアルバイトをして少ない金額しか貰えませんでした。
私もその時期から父親との連絡を取ることを、殆どしなくなりました。
悔しさはありましたが、私が何とかする!!という気持ちになったので、親に対する依存心からも解放。
そして異母姉妹とも、しっかり線引きができました。
「子供は親の言う通りにはしない。したようにする。」
私が風俗業界に踏み込まなければ実家のいざこざに不満を抱いたまま、ギリギリの生活、ショートしかけの状態で、養う為だけの子育てをする状態だったと思います。
生活にお金も勿論の事、暮らすことに余裕が無いと体と同時に心も正常に育てる養育と言うものが出来なかったはずです。
私は、私の子供にはそんな思いをさせたくないという強い気持ちと、何としても正常な家庭にしたいという執念がありました。
その子供の家庭環境、育て方は、間違いなくその後の人生に影響を及ぼします。
それは例えば成人しても、ずっとずっと大きくなっても、親の生き方と言うのは関係して来るのです。
私のような劣悪な環境で育ったなら尚更そこに気が付いて、私の子供の頃の経験した常識とは世間の常識は違うのだと認識しなければならないと思います。
セクキャバで在籍してるお母さんのキャスト達も見事に二極化しているのも、現場で見るととても良く分かりました。
悪い例で言えば子供が居て色々な手当てを手当たり次第に申請し、受給しているのは子供関係なく自分の欲で突っ走って、それは全て子供の為という建前を使った、良い手本を見せる事が出来ないお母さんの部類です。
子供の為に生活の為に接客、営業しコツコツ働くのは何が子供に悪影響なのかと分かったお母さんのキャストです。
そしてそんなお母さんキャストは生活の基盤が出来たら、すっと風俗業界から身を引いてました。
自分の人生ですが子供が生まれた時点で養育するのはもちろんの事、子供を社会に送り出すまでの責任が発生するのです。

驚いた常識

下の子の入園が決まり準備をする中で、何度も幼稚園に足を運ぶことになります。
説明会や週に1回食べる事になる給食の試食会、制服の採寸、カトリック教会での勉強会、様々な用事がありました。
世間に出るのを避けていた私でしたが、その頃は先も見通せていたのもありましたし、何よりどんな社会デビューを下の子がするのかを知りたくて、私なりに勇気を出して参加できるものには出席しました。
入園の書類に書く事の出来ない項目はまだまだありましたが、長男の時よりは手の震えも後ろめたさも軽減していました。
制服の採寸で制服を試着した時の下の子の顔がとても可愛く、ニコニコしていて心から頑張ってて良かったなと涙が出そうに・・・。
服を脱ぐときに少しもたついたのですが、後ろに次の子が待っていたので、
「早くしなさいよ。」
私がそう言った時、幼稚園の先生が、私に言ったのは
「お母さん。早くしなくてもいいんですよ。待ってあげて下さい。お友達が後ろで待っているから、早くしてあげよう。っていう気持ちは、幼稚園の生活でこれから学んでいくんですよ。わざと意地悪でゆっくり服を脱ごうとしている訳ではないので、そこは叱らないでくださいね。』
私が幼稚園の先生に下の子の入園より前に叱られてしまいました。
私が後ろのお友達のお母さんに対して申し訳なくなるから、私は私の体裁で子供を叱るとう事をしていたのと、少し恥ずかしい気持ちに。
そこの幼稚園で目にした親子は考えさせられるものがありました。
まず大きな講堂で沢山のお母さんが居る中、怒っていたり大きな声で子供を叱る付ける様なお母さんが1人もいなくて、楽しそうに親子で会話をしていました。
観察すればするほど、そこはゆっくり時間が流れている感じです。
私は自分の事を駄目な母親だと思っていましたし、風俗業界で働いているという負い目もあったので、なにかその場所ではソワソワ。
全く異色な場所でこれからやっていくのかと不安になっていましたが、その場所に溶け込めた自分に少し憧れてしまい、何とかやり切りたいなという気持ちになりました。
前から分かっていた事ですが、お金の無い時はお金の無さが私の自信の無さの原因で、次は風俗業界で働いているという事が自身の無さの原因です。
自信をもって家庭を運営し、子育てをしている様に見えるお母さん達が、雲の上の人たちに見えたのです。

主人の両親

主人の両親は少し距離のある場所に暮らしていました。
主人の家庭環境は複雑では無かった様ですが、主人の父親は優しいだけが取り柄の人で、義母はとてもきつい性格。
私がセクキャバで働いている事も主人がアルバイトだという事も、債務整理をして家庭の仕切り直しをしようとしている事も言っていないので知りません。
そして家庭内での問題があると必ず家庭環境の悪い中で育った私の責任にされたので、私が余り良い感情を抱くことができませんでした。
和気あいあいとした付き合いも出来るだけ避けています。
主人の父親は若い頃に田舎から出てきて就職したのですが、良い時代だったにも関わらず、流れに乗ることができずに、決して裕福とはいえる家庭のではありません。
義母に義父はいつも「稼ぎが少ない。ほんまに苦労ばっかりや!!」
私も何度も小言を聞いていましたが、それでも穏やかな顔で義父は聞き流す様な感じでした。
そんな義父を主人はとても可愛そうに見えた。
と、そんな話を良くしていて、きっと主人はお金に関してのプレッシャーがあったかもしれません。
なので債務整理をし、私がセクキャバで働いているなんて事を、とてもじゃないけど親にはバレたくないと思っていた事でしょう。
そんな中義理両親が、我が家に遊びに来ると連絡が入りました。
私は勿論セクキャバに出勤しなくてはならないですし、子供にも嘘をつくことを強要しなくてはならない。
相当大変な下準備が必要でした。
セクキャバの責任者が変わったので休んでも罰金にはならないですが、予定していたお客さまにも連絡をしなければならず、とても大変でした。
「久しぶりやね~。元気にしてた?」
「お母さん、お久しぶりです~。」
私は出来るだけの笑顔で、義両親を迎え入れました。
主人はアルバイトですがサラリーマンのふりをして夕方帰って来ますので、義両親が来た後で、主人は帰宅。
帰宅するなり、主人に義母が行った言葉は
「あらっ。顔が疲れてるやんか。ようさん働いて!!無理はしたらあかんで~。嫁さんにも働いてもらいや。今はそんな時代やで。あんだばっかり大変やな~。」
キッチンにいた私に聞こえる大きな声で、義母は言いました。
何だかとても悲しい気持ちになり、私1人が悪者の様な気持ちになります。
私が働いている事は言ってないので、それも仕方の無い事ですが、反面我が子の一大事を何も知らずにそんな事を言う義両親に対して、哀れさも感じてしまいました。
自分の息子の家庭を立て直すため、息子を立て直すため嫁が風俗で一肌脱いで踏ん張っている事を知ったら、この人たちは何て言うのだろうと・・・。

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若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
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