エピソード

【30話】子供は親の言うことは聞かない。でも親の真似はする。

  • 閲覧数:12

880万円...。
この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

突きつけられた現実

何を言ってもいい訳なのですが、生活の為に風俗業界で働く事を理由に子育てが出来ていなかったのです。
働く前まではそれも分かったうえで、そこだけは疎かにしてはいけないと自覚していたのに、長男の状況を把握できていませんでした。
自己嫌悪しかありませんでした。
その後、教頭先生から電話がありました。
「担任に話をさせてもらいましたら、やはりお子さんにきつく当たっていたことを認めました。それで本日謝りに伺いたいとの事ですので、授業終了後謝りに行かせてもらいます。」
長男の言っていた事は本当で、長男にだけきつい事を言ったり当たったりと、そんな事があったのです。
それなのに長男は昨日まで顔色1つ変えずに、私達夫婦に心配をかけないようにと、7歳なのに1人で頑張っていたのです。
それがどうしても今日は我慢の限界で、逃げだしてしまったのでした。
長男を叱るどころか、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

気づけなかったサイン

我が家が普通の時間のサイクルで回る家庭なら、もっともっと長男のサインを注意深く見れていたはずです。
何らかの形で見つけれたはずでした。
長男に学校の話を詳しく聞いてみました。
給食の時間に嫌いなものをゆっくり頑張って食べていたら、遅いと言う理由で無理やり口に詰め込まれたり、友達と休み時間遊ぼうとしていたら、首根っこをつかまれて教室に戻され、お友達が放課後にするドリルやプリントのお直しをさせられたりとの話でした。
かといって長男が劣っている訳ではなく、聞く限り本当に先生の好き嫌いの問題なんだなと感じる話でした。
最近ではよく言われる様になった、担任による生徒いじめだったのです。
いくら認めてくれて謝りに来てくれるとはいえ、長男が明日からどう生活を戻すのかと不安でした。
放課後の時間に担任の先生が教頭先生に連れられ謝罪に来られました。
長男も一緒に玄関先まで出てきました。
「私が言い過ぎてやりすぎな所があって追い込んでいたんです。本当に申し訳ありませんでした。」
そう謝っていただいても、私はその現場をみてはいませんし、長男もただ、「うん。わかった。」と言うだけでした。
形式的に謝罪があっただけです。
私がいつも時間に余裕が無いせいで長男は我慢ばっかり。
私に泣き事を言えずに我慢をしていたから発見が遅れたのです。
せわしない夕方の時間、私は出勤の為の準備をしながら長男の話を聞くことも多く、しっかり顔をみて落ち着いて話を聞いてやれてなかった。
30分だけでも、もっと落ち着いて長男と向き合って話を聞いてあげてれば、長男は傷ついて逃げ出すこともなかったはずでした。

子供を安心させることができない母親

物質的に少しでも豊かになる事が、長男にとっては良い事だと思っていました。
スーパーで好きな果物を沢山買ってあげたかったですし、誕生日やクリスマスには精一杯のプレゼントをと思っていたのです。
主人がそこの部分をカバーできない間は私が必死に稼いでくることが、家族にとって1番良い事と思っていたのです。
そんな事件があった日でも、当日欠勤は罰金対象になってしまいますので、私はまた出発しなくてはなりません。
この仕事が近所のパートなら私は間違いなく休んで、長男の心のケアをしていたはずです。
そんな事とも含めて子供と同じ時間のサイクルで生活する大切さを身に染みて感じました。
セクキャバの仕事を放り投げては家族が生きれない。
かといってこの生活を続けたら長男をしっかりみてやれない。
そんな板挟みの状況でした。
普通の世界で働くお母さんでも、夜に不在になってしまうお母さんは居ると思います。
そんなお母さん達との違いは、仕事の話をうやむやに私がしている事だったと思います。
例えば看護婦さんで夜勤の為に出勤するお母さんは、ちゃんと仕事内容を話して、どこの病院でお仕事してくるね、と言えます。
母親が何処で何をしているかという事が、子供に分かればその分子供も理解し、安心します。
私の場合は仕事内容は言えない、場所もざっくりとしか言えない。
何を頑張っているのかも言えない。
要は子供には秘密だらけで夜にパッと不在になるのです。
そう考えると子供には不安しか残らないのにも納得できました。
考えれば考える程、胸が締め付けられました。

食べさせるだけでは子供は大きくならない

私が働いているセクキャバにはお母さんが沢山いて、割と雑談で子供の話をしてくれる人も多かったです。
私は子どもが居る事を隠して在籍していたため、子育ての経験での色んな事を教えてくれる様に、話をしてくるお母さんのキャストがたくさんいました。
多いのはお金のかかる事を、云々とでした…。
子供の中で流行っているものを与えたらいくらかかるか。
保育園での準備費用はいくらとか。
小学校の入学準備の費用とか。
風俗業界で働くという事は、その金銭的な問題を解決するためなのですから、それは普通の事かもしれません。
風俗業界で子供を小さい時から育てあげた、中学生や高校生のお子さんを持つお母さんのキャストの話す事は、思春期の子供の素行の悪さを話してくれる人が多かったのも事実です。
これを言っては職業差別に近くなるかもしれないですが、警察沙汰になって迎えにいったとか中学生で妊娠したとか、高校生になって彼氏の家から帰って来ないとか、ちょっと笑えない様な話が多かったのです。
やはり風俗業界で心も体もすり減らされたお母さんが、子供の心に寄り添っての子育ては難しいのかもと思いました。
家に居るときはどんなに切り替えて子供と接しているように見えても、100%は切り替え切れないというのが私も分かっていましたし、それを子供も察知し年齢に合わない我慢を強要しているのかと思ってしまいます。
母親は母親にしか出来ない事があります。
それを主人にお願いしても近い所まで頑張ってくれても、100%は無理なんだと心から思いました。
親の不甲斐なさのせいで結果的に長男を苦しめてして、それからの脱出方法も分からない。
私が父親から言われた事がある言葉で
「犬や猫じゃないから食べさせるだけが体を大きくするだけが子育てじゃないぞ。」
長男が生まれてしばらくしてから言われた言葉でした。
要は父は家庭環境の事を私に言いたかったのだと思います。
主人アルバイト、母親は風俗業界、自分で言うのも何ですが家庭環境が良いとは言い切れない私の家庭。
子供をしっかり育て教育するのには厳しい状況です。
「子供は親の言う事は聞かない。でも親の真似はする。」
それも言われた事がありました。
そんな事を考えれるという事は、食べる事や生活に困っている状況から抜け出していたからこそ、その部分に頭が回ったのかもしれません。
母親として子供に苦労を掛ける訳にはいかないと、経済状況の改善だけが子供の為と思いこんでいた私の間違いを認めざるを得ない事になっていました。
そんな中私は止まる事無く出勤し、罰金を課せられないように少しでも多く稼げるようにと、どうしてもそう動く習慣ができてしまってました。
長男はまだ7歳でしばらく小学校に通うのに、しょっぱなからこんな問題に私がぶち当たってしまいました。
私が不在で寂しい思いをさせている分、お金を稼がないといけないという、私の考えは間違いだったのかなと、不安で胸が張り裂けそうでした。

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
PAGE TOP