880万円...。
この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。
毒親に育てられたら毒親になる?
自分を肯定することが出来ない。
自分を犠牲にすることで全てが解決すると思ってしまう。
自分を大切に出来ていない。
結論から言えば目標を達成したり、もう風俗業界で身を犠牲にしなくても良い状態にあるのにも関わらず、風俗業界から出てしまうのが怖いという気持ちは、私の人格に問題があったのだと気が付きました。
そして人格形成に大切な時期、幼少期から思春期までの経験や環境が少なからず影響されるという事も、私はその後確信するのです。
人間として生きて行く為にその道を選ぶことは今でも間違っているとは思いません。
しかし風俗業界は女性の為のセーフティーネットであるべきはずが、風俗業界が最初の就職先で、風俗業界が最後の就職先だった何人もの女性を見てきました。
本来ならば風俗業界という場所に居座ってしまうという事をしなくても本当は良いという事に気が付くのには、本人の思い込みが影響するのだと思うのです。
だから私も債務整理の手数料が払い終わった後に、普通の一般社会に戻ってしまった後の心配をその頃していましたし、むしろ収入が主人より私の方が良いのであれば私が風俗業界で働き続けた方が良いのかもしれないとまで思ってしまいました。
しっかり子供を育てて行くにはある程度、自分がしっかり親に育ててもらった経験が必要だった訳です。
沢山の風俗業界の同僚と一緒に働いてきましたが、その女性達は家庭環境が悪く、いわゆる毒親に育てられた人の割合が多いのです。
そしてその女性がシングルマザーや私の様な母親である場合、毒親に育てられた経験しか無いので自分も毒母になってしまい親子の悪い連鎖になってしまう。
当時私も子供達を生かせる為に働き始めましたが、少しでも贅沢をさせたい、という風に気持ちが変わっていきました。
しかしどちらの気持ちも子供の為ではありますが、贅沢をさせたいというのは自分を正当化する為、風俗業界から出るのが怖い、そんな気持ちが大部分を占めていたのだと思います。
私の父は資金力はありましたが、父がした私への子育ては成功だとは言えません。
母親も私の育児を放棄しています。
子育ての成功とはすぐに結果は出る事はありません。
子供が成長し大きくなっても生きるのに辛くないように、大人へと導いていかなくてはならないのです。
そして私の様に大人になり独り立ちしてから、私の父や母がした子育てが成功か失敗は分かるのです。
それは私にも言える事ですし、子供を大きくするため、養う為に働く風俗業界のお母さん達にも言える事です。
長女の試練
長女の姉の結婚は、姉にとっても大変な試練でした。
その頃父親と母親は別居状態です。
母は離婚はしたくない、父は離婚をしたい。
父には家政婦という彼女のような世話をしてくれる人がいましたので、母には何の未練もなく、むしろ興信所にお願いし離婚を突きつけるような具合でした。
しかし母は絶対に首を縦に振りません。
しかし母は離婚したく無いはずなのに、母と言う立場を放棄し女性となり、1人でマンションに住んでいました。
長女の姉が結婚したいという人は、同じ職場で働く同期の人。
姉が勤めていた会社はエリートが集まる世界で知らない人は居ない大企業で、その彼もそこの企業の人事部という花形の部署にいる人。
家の中が混乱する中、姉も逃げたい気持ちもあったことでしょう。
その彼と自分の幸せな家庭を創る事に憧れるのも無理はありません。
私から見る当時の姉は会長秘書という仕事柄、華やかでとても綺麗で可愛気のある人でした。
そして何より努力する人だったので、会社生活も充実していただろうと思います。
会社ではとても可愛がられていた様で、仕事している姉を私も誇りに思っていました。
異母姉妹の方の姉は、長女の姉と同じ企業に父の縁故もあり入社しましたが、本社ではなく郊外の工場勤務です。
その頃異母姉妹の姉にも彼氏が職場で出来ていましたが、同じ企業の名前はあっても出会う場所が、都心の本社と、郊外の工場では彼氏の質も違います。
異母姉妹の姉は妬み、嫉妬心で日に日に家の中では近寄りたくないオーラを放つ様になりました。
それは離れた歳の私がみても恐ろしく殺気立っている様子でした。
その妬みの気持ちも分からなくはありません。
自分は父親の愛人の子供だったという事実を突きつけられ、父は後ろめたさからか自分を正当化する為か分からないですが、異母姉妹の姉をいつも大切にいていました。
なので就職も長女の姉と同じステージに立てるようにと縁故のお願いで、父の会社の取引先である長女の姉が秘書を務める企業に頭を下げたのだと思います。
しかし結果は工場勤務。
学歴がネックになったか入社試験でそうなったかは分かりませんが、そこで差が出来てしまいました。
彼氏が出来ても、2人の姉の彼氏には大きな差がありました。
高級外車に乗って、誕生日やクリスマスに素敵なプレゼントを渡してくれるのはいつも、長女の彼氏の方で、異母姉妹の姉の彼氏は自転車で迎えにきたり、コンパクトカーに乗っています。
プレゼントも私が記憶に残るような物を貰ったとは聞いた覚えがありません。
年齢を重ねていくうち、どんどん2人の姉の差は広がりました。
そして余計に異母姉妹の姉は嫉妬や妬みで狂った様に・・・。
その状態を不憫に思った父はますます、異母姉妹の姉を可愛がるようになりました。
結婚の条件は離婚
その頃の長女の結婚の話でした。
私を理解してくれる唯一の姉の結婚となると寂しいのですが、姉の結婚話を私はとても嬉しいこと。
父は簡単には分かった。とは言いません。
長女の結婚を承諾する条件として、離れて暮らす母の離婚の合意を長女の姉が母に対して、説得してこいとの事でした。
当時私はもう両親の離婚問題には無関心。
母が出て行ってから数年という時間が経っていましたし、母が戻って来るなんて事もあり得ない事だと思っていたので、戸籍上離婚してもしなくても私の生活には何ら変わりは無いと思っていたからです。
母が居ない事の寂しさも、当時は全くありませんでした。
父に殴られても蹴られても、母は私を助けてはくれないとも思っていましたので、私の心のよりどこ炉は何処にもありません。
なので離婚して姉が幸せになるのなら離婚したらいいのにな、と思っていました。
今思えば夫婦の離婚に子供を巻き込んで、離婚出来るように姉の結婚を利用するなんて普通の親がする事ではない。
そう思うのですが、果てしなく自分本位の利己主義を通す父しか私は知らないので、父が出した条件もそこまで悪意のあるものとも思いませんでした。
しかし長女の姉は辛かったでしょう。
離婚したくない母を自分の結婚の為に納得させ、協議離婚させるという事ですから。
「あんたは自分の為に、お母さんが離婚して欲しいっていうのか!!」
「お母さんの苦労もしらないで!!」
恐らくそんな言葉を母は姉に言った事でしょう。
離婚した責任を父は長女の姉に押し付けようとし、母も自分たち夫婦の離婚問題を夫婦の問題から姉の責任にする。
そして父も母も自分たちの不貞行為を棚に上げ、離婚に至ったのは長女の姉の結婚の為と問題をすり替えたのです。
当時中学生だった私には分かりませんでしたが、親になった今、無茶苦茶な言い分を父も母もしていたなと思います。
子供の幸せをいつも願い、見守り、いざと言う時に助けるのが親の務めであるはずが、全く逆。
親の問題を子供に全てなすりつけると言う、今でいう1種のパターンの毒親です。
自分が幸せになる為だったら手段を選ばない父と、子供の幸せより自分のプライドや安全を確保したがる母という最悪の本性が分かってしまったのです。
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