エピソード

【6話】債務整理への安心感とその時のわたしの心情

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880万円…。
この数字から私の風俗の物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

迫り来る自己破産の時期

自己破産は、債務整理のひとつにあたるのですが、債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産があります。
あと、言葉が有名になった過払い請求があります。
自己破産はレベルで言えば、一番駄目なランク、最低ランクのものです。
債務整理本人の資産財産を無くす代わりに、借金も無くしてしまうものです。
個人再生は、借金を裁判所を通して、2割まで下げてもらうもの。
任意整理は、裁判所を通さず弁護士や司法書士が借り入れをしている金融機関に掛け合ってもらい、減額してもらうもの。
過払い請求は、有名ですが、払いすぎた利息と相殺してもらうものです。
自己破産以外の債務整理は、過払い金を計算し、残りの借金の元金を減額してもらい分割で払っていきます。
私には資産財産なんて、ありませんでしたから、自己破産が妥当だと、法律相談事務所の先生も思ったのでしょう。
主人の場合は任意整理で、話がついていました。
法律事務所に電話をし、私の自己破産の処理を、お願いしました。
寸前まで、まだまだ悩んでいましたが、もう、これ以上、傷を広げたくない思いが強くありました。

これで終わりにはならない厳しい現実

これで終わりではありません。
夫婦で依頼したものの手数料があり決して安いものではありません。
主人の案件の手数料は20万程、私の手数料は、25万くらいだったと記憶しています。
これを分割で支払います。
自己破産と任意整理の契約をしたら、毎月何枚も郵送で届いていた山程の請求書が本当にピタっと来なくなりました。
嘘のように、郵便ポストには届かなくなり、この効果には正直驚きました。
私たち夫婦の手数料の支払いが終わったら、主人は金融機関への減額後の返済が始まります。
9社位にそれぞれ振り込むようになると、聞いていました。
私の自己破産は手数料を支払い終わってからの裁判所の免責手続きになります。
それから自己破産の決定が下されてからの免責になりますが、法律事務所に依頼をすれば、数社の毎月の支払いは、止めていただけます。
私はガツガツとセクキャバで働かなくても良くなりますが、家のローンはのこります。
毎月の住宅ローンは14万円です。
国民健康保険料、住民税、固定資産税、教育費、生活費もです。
主人のアルバイトでは、まだ賄いきれませんし、大事な債務整理の手数料が二人合わせて4万円位です。
けど、この手数料が払い終わった頃には主人の就職という希望を掲げ、進んでいくことになりました。
相変わらず、セクキャバの店では、お給料の搾取や、相当なパワハラもあります。
『そんなお店辞めちゃえばいいのに。』何度も思いましたが、生きるためです。家族を生かせるためでした。

大きなニュースで身が震えた

そのころ、私にとっては大きなニュースがありました。他府県の事件でしたが、朝の情報番組で、何気に見ていて、衝撃を受けたのを覚えています。
ある風俗嬢が、二人の幼い子供を家のマンションに置き去りにし、食事も無いまま、真夏にエアコンもかけずに、外から鍵をかけ、ガムテープで外から目張りをし、二人の子供を放置死させたという事件がありました。
その小さい子供は、まだおむつの子と、幼児の年齢で、ニュースを見た時震えました。
私にも小さい子供がいて、同じような仕事をしている。
環境は違いましたが、亡くなった小さな子供のことを思うと、胸が張り裂けそうでした。
お腹空いたよね…、暑かったよね…、お母さんを待ってたんだよね…、正確な記憶はないのですが、発覚したのは死後数か月後で、異臭からの通報だったと思います。
そして、置き去りにしたお母さんの事も、私は凄く気の毒な、可哀そうな気持ちになっていました。
頼れる人が居ない、本当の悩みを誰にも相談できない。
そして高いお給料と引き換えに、欠勤はしにくいうえ、休んでしまうと高額な罰金が、のしかかる。
子育ての相談や、地域のネットワークなんて別世界だったのかもしれません。
そこの事件現場は、風俗店の寮だったと、ニュースでは伝えていました。
そして、実家とも疎遠になっていて、地元の交友関係も無くなっていたと報道されていました。
きっと、子供を育てるため、子どもと生きるために、その風俗業界の仕事を選んだはずなのに。
真逆の事態になってしまったんだろうなと。
どんな待遇でも、お店にとって、お客さんをよく取る、ありがたい完璧なキャストになれば、母親としては、失格の点数です。
それくらい体力を使い、精神力を使うので、体がもたなくなります。
完璧に母親業をこなすのではあれば、お店にとっては到底使えないキャストになりがちです。
そこの部分で葛藤ばかりでした。
どちらも適当にしていけば、お店では、時給が下がり、待遇は悪くなり、お給料の搾取も酷くなる。
最悪、お給料を貰えなくなるかもしれない。
適当に母親業をしていけば、子供の人格形成に問題が出てきたり、精神の安定にも影響し、心の発育がスムーズにいかなくなったり、子供は体調を崩しやすくなります。
主人は私が不在の時は精一杯頑張って、子どもと向き合ってくれていましたが、父親と母親は子供にとっては別のもので、求めてくる事が違います。
それが分かっていたので、毎日が苦しくて仕方なかったです。
家族の為と飛び込んだ風俗業界で、お金以外の問題は解決しない事、知っていましたが辛く苦しい思いをしました。
シンママは色んな想いと葛藤
私の働いていたセクキャバのシングルマザーの女の子達も、色々な想いがあったと思います。
在籍が40人程いたので、その中には沢山のシングルマザーがおりました。
様々なお母さんが居てましたが、お店では、最低時給で、欠勤したら罰金をすんなり払い、保育園に子供を預けて、子供の命を守ってもらう。
そんなシングルマザーのキャストも居てました。
『私な、給料20万あるかないかやねん』
それを聞いた時、びっくりしました。
それくらいなら、セクキャバじゃなくてもいいのではないかと思う給料の話をされたこともありました。
昼間の保育園で預けて、昼間の仕事もできるのにとも思いました。
『私な、中卒やしな、昼間働いても20万ないしな。正社員なんかなったら、子供に何かあったとき休まれへんやんか、それならな罰金払って、子どもと居る時間を買うわ』
当時の私には納得出来るような、出来ないようなそんな話でした。
自己破産と任意整理の手数料が払い終えるまで、私はここで、信念を曲げることなく、目標をすり替えることなく、いつか引退できる日まで、やり切ろう。
そして、子どもにはハッピーエンドがあるように、主人に光が射しますように、そして、おまけでいいから私にもパッピーエンドがあるますように。
その頃、自己破産の話が少し進んだ気がして、出勤時、駅から歩く時間、少し気分が楽になっていました。
それから、まだまだ働くことにはなりますが…
第7話につづく…。

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
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