【33話】積もり積もった真っ黒な感情




880万円…。

この数字からこの物語は始まります。

第1話はこちらからご覧ください

環境が良くなった代償

スタッフとキャストが入れ替わってから、こんなにも変わるのかと思うほど、店内の嫌な空気が無くなりました。

その中でも古くから残っている人は居ますが、ビクビク働いたりヒヤヒヤしながら追われる様に働く女の子は少なくなった様に思います。

責任者の男性スタッフが以前の状況を把握していたので、出来るだけお金に関する事もクリーンにしてくださっていました。

それに付いて来れない女の子も居たのですが、やはり店長が変わるとお店の雰囲気カラーが変わることを身に染みて感じます。

ただ大半のキャストの女の子は追われるものが無く、搾取や罰金、迷惑料の怖さもありませんのでのびのび仕事はしました。

しかし必死に焦るような働きをしなくなり、「最低時給を維持出来たらいい。」そんな女の子が出始めたのも確かです。

そうなると個人売り上げがどんどん下がり、当たり前ですがお店にも影響が出てきます。

新しい責任者のスタッフは、店内の嫌な雰囲気や風習を一掃するために入れ替わって、実際店内の環境は良くなりました。

でも売り上げが下がっては元も子もありません。

それでもそこで頑張っている女の子達は、1人1人のお客様を丁寧に接客し、成績を維持していました。

指名が付かない、いわゆる売れてない女の子達は危機感の無さに接客を放棄しているような状態に・・・。

店内はいつも決まった女の子だけが接客している様な状態でした。

どんな少額しか使って下さらないお客様でも、指名で来たら大体2時間は滞在します。

その間お酒も飲むため5万弱は使ってくれますので、出来る限りのコミュニケーションをとり、相手の心の中を観察出来るように努めていました。

前にもお話したように身の上話が大半で、聞いてほしい事を沢山私に話をする。

色んな男性の話を聞いて、それが100%の本音ではないでしょうが、何となく分かりました。

旦那への不満

家の中では主人がアルバイトと育児を頑張ってくれました。

もうその時は債務整理の手数料も残すところ1年も無いくらいに。

正直払う事が必死だったので後何か月と、そう考えた事はありませんでしたが、もうすぐ終わるんだ、という気持ちはいつも胸にありました。

ただその時に私を新しい怖さが襲います。

「手数料を払い終わったら今より支出は減って、今私の貰っているお給料ならもっと楽になる。でもこのセクキャバの仕事を辞めるのはいつだろう。私はいつまで、私の裸で子供と主人を支えるのだろう。」

そう思うようになりました。

主人は子どもといる時にはいつも笑っていて、のんびり子供の相手をしてくれていたので、段々それが私の不安になり、同時に苛立ちになっていました。

毎日変わらないサイクルでアルバイトに行き、夕方から子供の面倒をみている主人。

支払いの金額を調整したり日々の買い物も私です。

下の子の幼稚園をどこにしようか悩んだり、入園費用を考えるのも私でした。

車検の月を逆算してお金を用意しようとするのも私。

どんどん情けない気持ちになって来ていました。

焦っても主人の働き先なんて見つからない、主人には楽しめる仕事をさせてあげたい。

そう思っていたのですが主人からは何も就職の話はしてこないし、私がそれを主人に言うと、主人の主人としての自信や父親としての自信を奪ってしまうかもしれないと、私も心の中のもやもやを言い出せずにいました。

下手なタイミングで私の気持ちをぶつけてしまっては、子供達にも良くない影響が出るかもしれないと思いましたし、急いで就職を探して20万そこらの金額に落ち着いてしまっては、たちまち振り出しに戻ると思ってしまったからです。

主人は私がセクキャバで働くようになってから、ずっと子供たちの成長を大学ノートに書いていて、その時の子供と話をしたこと、子供に対する主人自身の気持ちを書き留めていました。

今思えばとても貴重なノートでありがたい物ですが、その時はそのノートすら私の苛立ちの原因に。

その当時の私は、私だけが1番大変で私だけが苦労していると、そう思っていたのです。

そんなノートを書く暇があったら、私の収入に負けない就職先を探してしたらいいに。

そう思ってしまう自分がいました。

その頃セクキャバでの話も、主人には当たり障りない事はそれまでは話をしていたのですが、段々それすらしなくなります。

そんな私が子供に良い影響を与えれるとは思えないのですが、そんな中でも子供たちはいつも明るく笑ってくれていました。

その子供の笑顔は主人が私の不在中に子供のケアをしていてくれたからなんですが、それも認めたくない様な気持ちになったりもしました。

生きる為に始めた風俗業界。

それが段々、生活の為になり子供が喜ぶお金が欲しいとなり、豊かに暮らせるようにと目標が変わっていき、私自身少しずつ変わっていく気持ちの変化に気が付ていました。

家族で生きているのが幸せと思っていたのが、よその何の苦労もしていない様に見えるお母さん達が、旦那様に守られている子供の同級生のお母さん達が羨ましくて、欲深くなっていく自分を必死に正当化して生きるように・・・。

突然の訃報

下の子を妊娠した時にはお金が無くて、妊婦検診も行くのがやっと。

長男の手を引き、近所の公園でどうしようか不安でいっぱいな時、本当に死んでしまおうかと何度も思いました。

誰にも頼れない自分の親にも言えない。

お腹の子と長男の手を引いて、高い所から落ちてしまおうかとも何度も思いました。

セクキャバで仕事を始めた頃はその頃を思い出して、どんな形であれ家族が同じ家で暮らしているのが幸せと思えていたのに、私がセクキャバで働き家族を支える事が当たり前になっていった事が私の怖さの一因だったのだろうと思います。

セクキャバで働いている事は主人と私だけの秘密。

家が大変になる前、私がセクキャバで働く前に家族ぐるみで付きあっていた高校の同級生の友人がいました。

セクキャバで働き出してからは、恥ずかしさと後ろめたさから疎遠になっていたのですが、ある日その友達から電話が・・・。

前々から友達のご主人の体調が良くないとは聞いていたのですが、私の下の子とその友達の長女が同級生ということもあり、セクキャバで働くまでは家に家族で遊びに来たりもしていました。

その友達のご主人肝臓癌で亡くなった、との連絡でした。

数年会わないうちにそんな事になっていて、驚きを隠せません。

慌ててお葬式に行く段取りをしなくてはならず、大急ぎで準備をして翌日家族でお葬式に出席しました。

亡くなった友達のご主人は36歳。

小さな子供を残して、あっという間の人生を終えてしまった棺桶の中の友達のご主人を見て、とてもやるせない気持ちになりました。

人生は思い通りにはならないのだなと、亡くなったご主人の無念さを考えたら、私はまだまだやらなければ…と決意をしました。

私達には命があって、まだまだやらなければいけない事がある。

今、出来る事をしっかりしていけばその先は今より良くなっているはずと、その時に主人への苛立ち、お客様からのプレッシャー、風俗業界という後ろめたさも、そんな小さなことで、自分を見失ってはいけない。

そう思い、また私は気持ちを切り替え、私を含め主人と子供の為にまだセクキャバで踏ん張ろうと思いました。

債務整理の手数料の払い込みが終わるまで、もう少し。

段々家の運営は良くなっているはずなので、どうか順調にそれを終える事が私の使命だと思いました。

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Rie

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡”