【43話】親の責任と子供の最善




880万円…。

この数字からこの物語は始まります。

第1話はこちらからご覧ください。

幼稚園の願書

長男の幼稚園選びの時より、下の子の時は親の都合を押し付ける事無く、子供の視点でどうなのかとか、多少費用が高くついても子供にとって良い経験になるのなら…と、子供中心で考える事が出来ました。

長男の時を思い出すと、私にとってやはり苦い思い出しか無いのです。

兄弟がバラバラの幼稚園なのはやはり不自然でしたが、そこは主人も納得してくれました。

幼稚園の願書提出の日。

幼稚園に行かせようとしているお母さん知っているかと思いますが、私立の幼稚園願書提出は先着順で入園が決定してしまいます。

少子化のせいもあってか、人気幼稚園を選ぼうとする親が多いので、良い噂のある幼稚園は入園希望が集中するんです。

朝の8時半に願書受付開始なのですが、前の日の夜9時くらいから並びます。

その日は私もセクキャバの出勤を前もって休み、子供2人を私が見て、主人が願書提出日の前夜に並びに行ってくれました。

何回か電話で幼稚園の並んでいる順番や、どれだけの人が並んでいるのかを聞いたり・・・。

主人は行列の前から4人目だという事で、入園は間違いなくできそうだったのですが、その待っている人の様子を聞いたら、

「凄い人やで、何かおじいちゃんか、おばあちゃんが沢山並んでるわ。孫可愛さに皆頑張ってはるな。」

「そうなんや、寒いのに皆そうなんやね。大変やね。」

「あと、仕事帰りのお父さんも、スーツ着て何人もいてる。お母さんらしき人は、誰も居ていないな。」

「そうか、お母さんは子供と家に居ないと、子供はお留守できないもんね。」

その言葉は何気ない夫婦の会話なのですが、私の胸に刺さったのです。

複雑な家庭でなければ何の苦労もなく、自然な状態で子供に愛情を注ぐことが出来ます。

協力者に困る事はないのです。

両親に気を遣う事もなく、そんな大変な用事をお願い出来る、孫の幼稚園の願書提出で夜中から朝まで並んでくれる祖母や祖父が居る事にも、世間と私の温度差に少し悲しい気持ちになってしまいました。

実家の協力が無くても仕事帰りのスーツのお父さんは朝まで並ぶわけなのですが、それも子供の為に頑張っているのだなと。

そしてきっとお母さんは家で子供と眠ることができる。

主人に苛立ちを感じて就職に関して立ち往生している様に見えた主人も、子供の為に夜中並んでくれて、子供を可愛がってくれてる事には変わりないと、少し私の苛立ちも緩和されました。

同時に家庭環境が悪いと子供を良い社会に触れさすことも難しいのだなと、感じたのです。

私の場合は風俗で働いている事と、主人がアルバイトだという事以外に実家の複雑さや家を出て行った母親との関係で、子供にとったら完全に環境は悪いのですが、救いは主人と夫婦でいると言う事でした。

せめてそこをしっかりしてあげないといけない。

子供に迷惑をかけない為にも、やはり頑張っていかないと、と思ったのです。

保育園と幼稚園の差

願書提出から入園まで半年あるかないかのその頃、入園と同時に債務整理の手数料も払い終わるという感じでした。

入園までの間、私はセクキャバでの勤務をしながら、また悶々と生活しなければならないのですが、母親に相談し打ち明けた所で、何の理解も得る事は出来ませんでしたし、そんな仕事をさせられるなら逃げて来なさいと、期待外れの話しかしてもらえなかったので、私を精神的に支えてくれるなんて事は無いのだなと諦めも付きました。

安心して暮らせるのは遠い先の事かもしれないけど、諦めたくないという熱い思いがありました。

私の働いていたセクキャバの同僚でお母さんと言う立場の人は沢山いたのですが、やはり幼稚園に行かせる人は少なかったか、いなかったかもしれません。

保育園が圧倒的に多かった気がします。

私自身、時間的なものや入園してからお友達になろうとする子供達の状況を考えると、無理をしているとは思っていましたが、子供の為に風俗業界で働いているという事を考えた場合、自分が楽になるとか子供を預ける時間が長い方が楽というのは、私の風俗業界での辛さの意味が全く無くなってしまうと思っていたのです。

勿論、保育園に入園させるのにもメリットは沢山あるのですが、普通の保育園では朝7時から遅くても夜8時までというのが通常でしたので、その保育園に通わせてしまったら私の出勤と入れ違いになってしまい、ほぼ私が子供と会えないというのも保育園を避けた理由でした。

幼稚園なら長男の時もそうでしたが、1時45分に終わります。

車で迎えに行っても車中の間も、ゆっくり子供と過ごせるというのは私にとって大きな利点でもあったのです。

費用で言えば月額3万円位が幼稚園です。

保育園となれば世帯年収によって金額が変わり、主人がアルバイトで私のセクキャバは非課税なので、とても安く済んだのかもしれません。

それでもお金よりその時は長男の時と同じ様に幼稚園の生活をさせたい、幼稚園でお友達を作ってあげたい。初めての社会デビューは幼稚園でさせたいと、私は思っていました。

ママライフへの期待

セクキャバで仲の良い年上の友達と何気なく会話をしたと思います。

「下の子が幼稚園やねん~来年春やねん。」

「そうなんや~。けど幼稚園って、なんかイメージでは、小学校の前の準備をするところって感じやな。私からしたら。保育園は働くお母さんの代わりに子供の世話をしてくれる所。この仕事しながらは、めっちゃ大変そうやんな。幼稚園は園によって、カラーがあるっていうやんか、それに合わせるお母さんって大変そうやし。私は無理やわ~。」

友達の言葉に凄くプレッシャーを感じました。

長男も幼稚園でしたから経験はありましたが、当時はセクキャバで働く事を始めたり、債務整理の手続きがあったり、沢山の給料の搾取で正直楽しい幼稚園の話を、長男から聞く事もままならない状態だったと思います。

下の子の時は同じ失敗はしたくないと本当に思っていたので、私自身幼稚園のママライフのやり直しも出来るのかなと、そんな風にも思っていました。

セクキャバで働くお母さん同士の会話を聞くと、子育ての大変さや、色んな問題を聞いたりするのですが、お客様の話を聞くとまた違う視点で私も色んな事を勉強できました。

私のお客様でお子様がいらっしゃる人も、沢山いました。

年末年始の時期になるとたばこの箱に子供の写真が入っていて、

「あれ?かわいい!!」

そうなれば何処に来ているのかを、お客様も忘れているような顔になりました。

そんな顔を見ると何か私が悪い事をしているような気持にさえ、なってしまいそうでした。

「息子やねん。6歳や。来年から小学生や~。可愛いで~。飲みすぎない様にお守りでな。息子がたばこに写真入れるねん。罪悪感が沸くからな、いつもはタバコは写真見えない様にしてるねんけどな。」

「お父さんが大好きなんやね。似てますね~。」

「せやで。分身や。自分もな、早く結婚して子供つくってみ!!人生変わるからな。幸せやで~」

「そんなかわいい子なら、私も欲しいです~。」

場所が場所だけに不自然な会話なのですが、遊びにくるお客様でこんなお父さんは沢山いるのです。

そして社会的に地位のある仕事をしている人は、子供の話をよくしてくださいます。

それはこの場所にはのめり込まないぞ、と自分の立場を良くも悪くも分かっているのだなと思いました。

その頃こんな風に外で遊びながらも社会的にハツラツと生きて、家庭もしっかり守っているお客様と主人を比べてしまって不安になったりもしてましたが、その基礎を今私が造らないと!と、まだまだ1人で何もかも背負っている気分だったと思います。

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Rie

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡”