エピソード

【11話】旦那のストレス・自分との葛藤。全ては家族のためでした。

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880万円...。
この数字からこの物語は始まります。
第1話はこちらからご覧ください。

劣悪な環境に対して「大丈夫」と言い聞かせた。

あの時店にいたキャストの女の子達は、しっかり笑顔での接客を徹底していました。
私も自画自賛ではないですが、満点を当時の私にはあげたい位です。
本当は痛かったり、悲しかったり、そんな気持ちで踏ん張っていた女の子もいたと思います。
しかし、せっかくそこで働いているのだからという現実があるので、自分の為、報酬の為に、何も言わない事を徹底せざるを得ない状況でした。
風俗業界で働くという事は、報酬と引き換えに色んなリスクがあります。
私が風俗業界に飛び込んだ時には、ケガからの感染とは全くの想定外でした。
そして入店して働いてしまえば、案外自分の事はしっかり管理出来ていると思いこんでいた部分もありました。
汚い手で触られなければ大丈夫、自分の前についた女の子が性病を持っていなければ、私は大丈夫と、思いこんでいました。
今思えば性病に感染していても、各自キャストの女の子は言えば最後と思っていたでしょうし、何とか隠して接客していたのだと思います。
店に性病が蔓延しているという噂が流れれば間違いなく、大変なことになります。
フリーのお客様には花びら営業が通常でしたから、体力や免疫力の無いキャスト数人で性病がグルグル流行していた事もあったのかもしれません。
簡単な消毒用アルコールはテーブルに置いてましたが、消毒している人の姿を見ることも余りなかった様に思います。
自己管理だけが自分を守る全てです。

死刑宣告を免れることをできたのは指名客のおかげ

私の乳首のケガは、ケガとしたら出血もしない小さいものでした。
しかし私の免疫が体力と一緒に落ちていたタイミングで、お客様の口の中の黴菌が目に見えない傷口から入ってしまったのです。
その時私に免疫力があれば抑え込む事が出来ていたのだろうと思います。
確実に自己管理不行き届きでした。
こんな状況でも休むという発想はなく、乳首が皮一枚でもどうやって乗り切ろうかと、考えていました。
そんな時には、指名のお客さまには随分救われました。
男性スタッフにも事情や乳首のケガの話は出来ないですし、フリーのお客様にも言えるはずがありません。
お金を払って遊びに来ているのでセクキャバである以上、触られることを拒否する事もできません。
その点指名のお客様は体調が悪いとか具合が良くないと前もって連絡をしていれば、心配して何名かは来店して頂けました。
普段あまり営業メールをしなかったのですが、その時ばかりは必死に指名のお客さまに連絡しました。
お店にバレずにクレームもつかない方法はそれしかありませんでした。
そんな日を5日程過ごしていたと思います。
欠かさず薬も飲み毎回お風呂に入るとき乳首を確認していたのですが、皮一枚で繋がっていたのが少しだけしっかり繋がっていました。
油断したらまだ取れそうなのですが、以前よりはしっかりくっついていました。
傷もまだ生傷という感じでしたので、乳首を固定していたらうまくいくかもと思い、1週間目で再度病院に診察に行きました。
「この状態なら、恐らく根元はしっかり引っ付くから、抗生物質をあと5日は飲んでください。」
心底ほっとしました。
取れるという最悪の事態は免れました。
乳首は今でも右片方はよく見ると歪な形なのですが取れることもなく温存しています。
あのまま病院に行かなかったら、本当に取れてしまっていたのかと思うとゾッとします。
セクキャバでの仕事を諦める事になっていたかもしれません。
そうなれば家族にまた大変な思いをさせる所です。
あれだけの色んなジャンルの風俗のお店があるのですから、色んな感染があっても仕方ないのですが、私の様に予防しようの無い感染もあり、免疫力が風俗業界で働くには不可欠なのだと痛感した出来事でした。

主人の思いと現状。葛藤の続く日々。

その頃も家族でいる時間は私にとっては、穏やかな幸せな時間でした。
しかし私がセクキャバで仕事をする事により、私の主人は私と同じ様に色んな事を我慢し、夜にはまだ目が離せない子供を見てくれていて、日中はアルバイトをしフル回転で頑張ってくれました。
そんなある日主人とテレビを見ている時に、コーヒーを入れようと私がソファーから腰を上げ、不意に主人の頭を見てびっくりしました。
五百円玉くらいの円形脱毛症がくっきりと出来ていました。
主人の性格は明るく何事にも一生懸命な人、真っすぐでとにかく優しい人です。
なので円形脱毛症は私がセクキャバでの仕事をしていて、家計を支えてる事による責任感から来るストレスでそうなったものだとすぐにわかりました。
本当は回っている社会の中で第一線で主人本人仕事をしたいと思っているはずです。
例えば私が昼の仕事でもパートでも嫌で仕方無いと思っているのが主人です。
奥さんは専業主婦でいて欲しいと言う、今時珍しい昔気質の人でした。
それを私の説得で家族の再建だから今だけはと説得し、ましてやセクキャバで働かせているのを辛く感じていたのだろうと思いました。
主人の責任感や男気を私がセクキャバで働く事で抑制していたのです。
私も家族の為とはいえ、そうするしか道が無かった事、その方法でしか子供や家を守れなかった事がどうしようもなく悲しくなりました。
「あのな、頭の毛…知ってる?」
あー。そうやねん。俺も最近気が付いてん。いつからやろうな。目立つかな?」
普段と変わりなく答える主人が、私を余計に悲しくさせました。
次の日に子供に聞いたら、結構前から円形脱毛症はあるとの事。
主人本人も分かっていたのだなと、ちょっと水臭いとも思いました。
そりゃ、私が家計の為にセクキャバで働いてるから円形脱毛症になったなんて、言えるはずもありません。
我慢の中で主人はいつも私に、
『お帰り。ごめんな』
セクキャバの勤務が終わった私に、毎回そう言っていました。
この生活からの脱出は、債務整理の手数料を金融機関に信用を付ける為数か月かけて払いきる事です。
私がセクキャバで働くか私がセクキャバで貰うお給料以上か、同じくらいの金額を主人が稼いでくる事。
どちらかでないと終わりません。
それでも私は主人には仕事を楽しんでしてもらいたかったので、お給料だけでがむしゃらに仕事をして欲しいなんて、到底思えなかったのです。
ただ、主人のギリギリの精神力が持つかな?という不安はありました。
やみくもに仕事を見つけて稼いで来て貰うより、状況が整った時お給料を気にせずに、したい仕事を思い切りさせてあげたいと、私も真剣に思っていました。
円形脱毛症は極度なストレスからくるもので、脱毛した部分が次に生えてくるのを待つしかありません。
どうにか主人のフォローを出来ないものかと考えるのですが、縛られるものが沢山ありすぎて、身動きの出来ない状況でした。
ただ主人を中心とした普通の家族に戻りたくて、子供にとって自慢出来る素敵なお父さんになって欲しくて、多分それが主人の望みである事も分かっていました。
主人の気持ちが萎えてしまわないよう、セクキャバで働いている時と同じくらいのエネルギーを、私は家族にも注ぎました。

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡"

 
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