【47話】仲のいいキャストの結婚に潜む家族の呪縛




880万円…。

この数字からこの物語は始まります。

第1話はこちらからご覧ください。

家族依存の同僚

私はこのセクキャバ嬢という仕事で、本当に仲良くなれた彼女が大好きで、ざっくばらんな性格といい素直なとこも、何故か私には無いものを沢山持っていて随分彼女には精神的に救われたきがしています。

そんな彼女の結婚。

とてもうれしい事ですが、再婚という事もあって彼女なりの葛藤があったと思います。

お客さんというのはもう独身貴族を決め込んでいた様な人なのですが、落ち着いた感じの優しそうな、私からすれは彼女の太客です。

店には色んな事柄が決まっから説明すると、彼女は決めていた様でした。

彼女は働かない父とパートの母がいて、妹2人と家を出た兄がいます。

彼女の気がかりは結婚した後の実家の事。

結婚した後、実家の家族も大切にしてくれるのかどうか、そればかりを気にしていました。

妹といっても成人していますし、両親も元気なので私はそんなに気にしないでいいと思っていたのですが、何せセクキャバでの収入から数十万は家に入れていたので、結婚を両親にも言いにくいとの事でした。

翌日、彼女が待機の席で私に真っ先に言った事は…

「これから、お母さんとお父さん、どうやって食べていったらいいの?そうお母さんに言われてんな…」

彼女の予想は的中した様で、彼女は頭を悩ませていました。

これが嫌いな親ならほっておいても構わないのですが、彼女は両親が大好きでしたので、見ているこちらが辛くなってしまいました。

彼女がこんなに悩んで困っているのに、彼女の両親がどうかしてるのは明らか。

まず結婚する彼に相談しないといけないと言う事も彼女は分かっていましたが、

「そんな事を親から言われるって、私の家族が変ってバレるな。」

彼女は両親が普通では言わない事を言っている事も分かっていました。

私も親ですので彼女の両親の寂しい気持ちは分かりますが、それ以外は理解に苦しみます。

彼女は両親にとって良い娘になろうとして、自分の幸せを後回しにしてきたのです。

妹たちはそれぞれ実家に住んではいるものの、妹たちには両親も頼っては居ない様でした。

彼女の責任感がそうさせていたのかもしれません。

両親の要求

そして、彼女の両親が驚くような条件を出して来たと、彼女から聞きました。

「結婚は認めるが、家には結婚しても同じような金額を入れる事。徒歩の距離で住むこと。」

この2つの条件をクリアしたなら、結婚は許すというもの。

寝言より酷い条件。

呆れました。

そして彼女が彼にその話をした所、ご両親に出来る事はするがセクキャバで働いている時の給料と同じ金額を払うのは常識的に無理だと彼には言われたそうです。

それは当然な事ですが、彼女にとっては苦しい状況。

そして彼女がした決断は今まで貯めたお金、貯金を両親に払って家を出るというものでした。

金額こそはっきりとは分からないですが、恐らく百万単位だったと思います。

それしか両親と彼を同時に納得させる事は出来ないと彼女は思ったのでしょう。

聞いていて、どうも親に恵まれない子として生まれてしまったら、不幸だなと悲しくなってしまいました。

今時時代遅れかもしれないですが彼女は私と同様、専業主婦に強い憧れがあって、なんとしても安全で自分が頑張りすぎなくて良い場所を求めていたのだな、とそんな風に見えたのです。

そんなこんなで、彼女の結婚の話はまずまず順調に進んで行ってる様に見えました。

「昨日家具屋さんにいってきてん~。」

数日後彼女が嬉しそうに話していたのですが、そこでも彼女は実家の古くなった家具が気になったと、結婚後の新居の家具とは別に家具屋さんから実家に電話をし、母親に希望をきいてダイニングテーブルと両親のベットをプレゼントしたと話をしていました。電気屋でも、家電をついでに両親に買ったとも言っていました。

自分だけが幸せになる事の罪悪感は、私も理解できない訳では無いのですが、呪縛に近いものがあると聞いてて怖いくらいでした。

「実家の掃除機が古かったから~。」

彼女の話は彼の話より実家の話が段々増えて、とても結婚が近い女の子の話ではなかったと思います。

彼女の親離れ

「お母さんとお父さんを幸せにしたいから、私はお金持ちと結婚したい!!」

彼女と話をする様になってからは、彼女は間もなく私にそう言うようになりました。

しかし現実はそう上手くいきません。

例えば結婚に当たって彼と決めた事も、どんな事柄であろうともう一度実家に相談してしまい、両親に決め直しをされるという事が何回かあったらしく、それにうんざりした彼がたまりかねたのか、

「実家と俺とどっちが大事なんや。」

そう彼女に言ったらしく、彼女は改めてその問題を大きな問題と思った様子でした。

私にも彼女は何度も相談して来ていたので、彼女を傷つけたくはないばかりに、私は今まで意見を言わなかったのですが、見かねてしまい、

「まず子供の幸せを願ったり、応援するのが親やんか。邪魔しかしてない様にみえるもん。」

「私が、お母さんとお父さんを幸せにしたかってんな。」

「それは違うと思うで。親孝行とは別物に見えるで。まして裸になって稼いだお金を親が期待してるのも、変やんか。」

「やんな。今更、どうしたらいいんやろう。」

彼女は途方に暮れていました。

それ以上は私も責任をもって喋る事が出来ず、歯がゆかったのですが、どうしても彼女には分かって欲しいと言う気持ちも・・・。

そんな時、彼女の結婚相手が店にお客様として来られました。

勿論、彼女御指名です。

店のスタッフはまだ何も知らないので、太客が来たとご機嫌。

私も別の席で接客だったのですが、私のお客様が帰られた後でも、彼女の結婚相手である彼はまだいらっしゃいました。

彼女の休憩も兼ねて彼女が席を外れた時、私が偶然にもヘルプで付くことになり、結婚が決まって初めてわたしも彼と喋る機会です。

色々な事を知ってるだけに気まずい気持ちもあったのですが、ヘルプも仕事ですし、割り切って出来るだけ明るく席に付きました。

「お久しぶりです~。聞きましたよ。おめでとうございます。」

「いや~。いろいろ聞いてるやろ~。恥ずかしいわ。」

「聞いてますよ。けど、これからは楽しい事の方が多いから、ちょっとくらい、いいですやんか。」

「あいつ、実家が思った以上に煩いねんな。こんなもん?」

「親思いでね。心配なんでしょうね。」

何か気の障る事を言ってしまって大変な事になったら私も彼女に対して取り返しがつかないので、慎重に話をします。

「遊びに来ておいて、言うのもなんやけどな。俺は早くこの店を辞めて欲しいねん。けどあいつは肝心な事をまだ店にも言えてないらしいし、金も実家に入れてるし。結婚しても続けれるだけ頑張って働きたいっていうねん。」

結婚してからも彼女がセクキャバで働いておきたいという気持ちでいる事を、私は初めて知りました。

専業主婦にとてつもない憧れを抱いていたはずの彼女が、どうしてなんだろうと不思議でした。

実家にも数百万のお金を払うというので、結婚に関しては親から許しを得ているはずでしたから、何かまだあるのかな?と、そんな風にも思いました。

「自分も子供おるんやろ~。早くやめて、子供と一緒に過ごせれる様になればいいな。」

「あっ。そうか知ってるんですよね。他の人には言わないで下さいね~。私ももうちょっとですよ。頑張って早く引退します。」

「せやで。長い間こんな所で働いたらアカンで。女が働いたら男は出番ないやんか。」

全くその通りと思いました。

ただ我が家の場合は主人の出番がまだ来ないのに、私がセクキャバを辞めてしまっては、たちまち困るという現実です。

そんな会話をだらだらして、ヘルプの時間は終了。

彼女が彼の席に戻りました。

彼女は遠目で笑っているのは見えたのですが、どうしても彼女の実家への歪んだ思いが垣間見えました。

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Rie

若くして二児の母になった私は風俗の世界に飛び込む決断をしました。夜の世界の「光」と「影」を自身で経験しました。家族を守るため、風俗とともにがむしゃらに駆け抜けた6年間の濃密なコラムが皆様の元気に変わればと思い執筆活動を続けて行きますのでよろしくお願いします♪ Rie♡”